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固定資産台帳の更新

固定資産台帳から得られる情報を活用し、公共施設財産の全てを更新するのか、コストや地域性、将来の人口動向を考慮して「選択と集中」により、どのように自治体運営の舵取りを行っていくかが求められることとなります。

  • 固定資産台帳とは、自治体の所有する固定資産を、その取得から除売却処分に至るまでの経緯を個々の資産ごとに管理するための帳簿であり、全ての固定資産(道路、公園、学校、公民館等)について、取得価額、耐用年数、減価償却累計額等のデータを網羅的に記載したものです。
  • 数値化された固定資産情報は、公会計における財務書類作成のための補助簿のほか、地方公共団体の保有する財産の適切な管理及び有効活用に役立つものであるとともに、喫緊の課題といわれる「資産老朽化問題」を露わに裏付ける重要なデータです。
  • 固定資産台帳を公表することによって、地方公共団体が保有する資産の情報が明らかになり、民間事業者の資金・ノウハウを利用したPPP/PFIに関する提案の促進、未利用資産の売却など、資産の有効活用におおいに役立てられることが期待されています。

いずれにおいても、固定資産台帳が毎年度適切に更新されていることが前提となっており、施設の実際の状態とに乖離があっては、金額情報も含めた資産のデータベースとして活用することはできません。

固定資産台帳情報の公表について

 

 公有財産台帳との相違点

(1) 対象資産の範囲

  • 公有財産台帳
    建物・土地・備品などの管理が中心

    (道路・河川など台帳に整備されない資産も存在します)
  • 固定資産台帳
    資産計上すべき全ての資産が対象

    つまり、公有財産台帳に含まれない資産も固定資産台帳に登録することとなり、有形資産のほか、ソフトウェアやなどの無形資産も対象となります。

(2) 保持情報の範囲

固定資産台帳における主眼は減価償却費を包含する金額情報ですが、公有財産台帳においては必須情報ではなく金額情報が登録されていない資産も存在します。よって、公有財産台帳の項目を固定資産台帳に取り込む場合には、金額を正しく設定する必要があります。
一方で、公有財産台帳には固定資産台帳には含まれない情報もありますので、固定資産台帳と公有財産台帳を共存させるには「情報の共有(整合性)」がテーマとなります。

(3) 付随費用の計上

会計には付随費用という概念(取得価額には、その資産を取得するのに直接要した金額が含まれる)があります。しかし、これまでの公会計には、この付随費用という概念は存在しませんので、仮に金額情報が登録された公有財産台帳からデータを取り込んだ場合には追加的に付随費用を設定する必要があります。

 

固定資産台帳更新のポイント

Point1資産計上の単位

固定資産台帳は、全ての固定資産を1単位ごとに記載する台帳であって、原則として全ての保有固定資産について評価・整備するとともに、以後継続的に、購入、無償取得、除売却、科目の振替、減価償却費等を含む増減を記録することとされています。また、1単位の区分としては、①現物との照合が可能な単位であること、②取替や更新を行う単位であることが原則であり、建物であれば「建物部分」と「設備部分」、さらには設備部分の中でも設計書等から資産を細分化させる必要があります。

Point2:資本的支出と修繕費の判断

償却資産に対して修繕等を行った際、その支出が当該償却資産の資産価値を高め、またはその耐久性を増すこととなると認められる場合、資本的支出(当該資産の取得価額に加えるべき支出)として資産に計上します。計上にあたっては、既存の償却資産と種類及び耐用年数を同じくする別個の資産を新規に取得したものとして減価償却を行っていく必要があります。

Point3建設仮勘定の管理

建設仮勘定とは、工期が一会計年度を超える建設中の建物など、完成前の有形固定資産への支出等を仮に計上しておくための勘定科目です。当該有形固定資産が完成した時点で本勘定に振り替える必要があるため、別途台帳等での履歴管理が必須となります。

 

今後の検討課題

1.更新作業に伴う全庁体制の確立

固定資産台帳は、所有する固定資産を全て網羅し、かつ常に最新の情報に保つ必要があるため、資産の状況を正しく把握し更新していくために所管する各部署との協力が必要不可欠となります。また、固定資産台帳を基礎とする財務書類は、予算への活用を目的として会計の翌年度9月までの作成が望ましいとされており、早期作成を念頭に置いた上で、更新作業に掛かる事務負担も考慮した業務体制の検討が求められていくことになります。

2.公有資産台帳との整合性

現物管理という同じ主眼を持つ公有財産台帳と固定資産台帳は、情報の整合性を図る必要があります。総務省から公表されているQ&Aでは、公有資産台帳で記載すべき内容が網羅されていれば、固定資産台帳を代替として使用することが可能とされており、双方を一元化することで資産管理の効率化を図ることができます。

3.公共施設マネジメントへの活用

固定資産台帳は、財務書類の作成に必要な情報を備えた補助簿ですが、施設別・事業別等のセグメント別の財務情報を併せて示すこと等により、個別の行政評価や予算編成、公共施設の老朽化対策等に係る資産管理等といった活用につなげることが期待されています。また、民間事業者によるPPP/PFI事業への参入促進にもつながると考えられることから、公表を前提とすることとしています。